午前十時の映画祭の１００本の上映作品のなかで

ワタシが一番観たかった作品がこの「道」です。

多分就学前だったと思いますが、母と叔母に連れられて、この映画を

観にいった記憶があります。

映画の内容は、まったく覚えていませんが、ニーノ・ロータ作曲の

「ジェルソミーナ」のテーマ曲は、母が口ずさんでいましたので、メロディは

覚えていました。

その後中学時代に買った映画音楽のレコードの中に、「道」が入っていたのと、解説もありましたので

ストーリーも分かりました。

その後成人して仕事で知り合った文学座の女優さんが「マシナジュンコ」さんという方で、

ジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナに因んで芸名を付けたなんて会話をしましたっけ。

そんなこんなで思い入れが強い作品ですが、

そんなことはともかく、本作はフェデリコ・フェリーニの名作中の名作です。

１９５４年のイタリア映画ですが、風景がなんとなく日本の戦後の景色とも重なる感じで

郷愁をそそります。

アンソニー・クインとジュリエッタ・マシーナが見事に役柄になりきっており、

宗教的なにおいの強い作品ですが、自然に映画の中に引き込まれてしまいます。

絶対に見逃せない１本。

です。